閉じる
時の言葉
Word at time

2020年02月 自己の確立を

人生において何を為すべきか、ということも大事だが、その前に、人生とは何であるか、ということを知る方が人間にとって、より重要なことではないだろうか。
私たちの住む世界は間違いなく競争社会であり、力の社会である。そこでは常に、若さと活動とが尊ばれ、常により多くのことを為すことに目標が置かれている。言うなれば、何でも世界一であることが自慢であり、強調され、そうしたことに過度の称賛が贈られているのが現代だ。
しかし、こうした若さが強調される文化は、勝者と敗者という過酷な運命が待っていると言えよう。
人はいつまでも若くはない。やがて壮年になり、老年になっていく。老年になり体の自由がきかなくなれば、若さが強調される社会であればあるほど、人は、必ず敗北という憂き目をみることになるであろう。
人生の価値の規準が、何を為すかにウェイトが置かれると、現代のような若者の時代となり、老人をおろそかにする社会が生まれてくる。だが、人生を謳歌した若者といえども、やがて次代の若者に同じような仕打ちを受け、悲哀をなめることになるだろう。この意味において、人生に何を為すかということより、人生とは何かを知ることの方がより重要であるといえよう。
また、心の安らぎは、人生とは何か、との問いの中から、そうして、その問いを通じて、己を知ることによって初めて得られるものであり、為すことのみを追う人生には、安らぎも調和も与えられないことを知る必要があろう。
己を知るには、厳しい自己反省を通してしか道はないだろう。反省を通して己の実相を知り、その実相が理解されれば、より創造的な自己を啓発することが可能であり、愛に生きることの喜びを体験することが出来よう。
昨年もそうであったように、今年もまた自己の確立ということが望まれる。新年に当たって私が言いたいことは、一年を通して常にたゆまざる反省と努力を重ねて欲しいということである。人間は正しい反省がないかぎり自己を本当に知ることは出来ないし、安らぎと調和も得られない。果物を沢山実らせた木は風にゆれることがないのと同じように、反省はパラミタという得難い宝を手にすることであり、ゆるぎない不動心を結実させるものである。
その意味で、今年も昨年にひきつづき自己を見つめ、調和の自己を確立して欲しい。

(一九七六年一月号掲載分)

高橋信次先生ご講演DVD 注文書

高橋信次先生のご講演DVDを販売いたしております。
「詳細はこちら」のボタンよりPDFを開いて頂き、
必要事項を記入の上FAXにて送信下さい。

高橋信次先生ご講演CD 注文書

高橋信次先生を関西本部に御招待した1971年10月の初回講演からの関西本部でのご講演をCD集として今後まとめてまいります。
「詳細はこちら」のボタンよりPDFを開いて頂き、必要事項を記入の上FAXにて送信下さい。