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高橋信次先生講演
Lecture

転生輪廻について(6)

(前号より)

 

例えば、正しく見るということは〝偏って見るな〟ということです。自分だけを中心にして見てはいけないということなのです。万生万物は相互関係にあってこそ安定しているのです。自分を中心にするより、まず相手の気持ちになってみることです。それから自分自身の行動に移すことです。

正しく聞くということも同じです。

他人様からいろいろ酷しく中傷を受ければ、すぐに人間はカーッとなって、心の中の感情の分野に大きな歪をつくり理性を失ってしまって、自己保存になってしまいます。それ故に、そういう場合にはなぜそのようなことを言われるのか、自分のどこにその原因があるのか、ということをしっかりと見極めてから正しい行動をとることが大事です。

 

 

世の中には、「悪いことを聞いたら、ただ耐え忍んで、口惜しいけどじっと我慢をしているのが賢明だ」という人々が多いようです。ことに、嫁と姑の中によくあります。顔でニッコリ笑って、心に中では〝このクソババー、早く死んでくれればよいのに〟と思っております。そのような家庭は必ず病気の原因をつくります。

我慢する前に、自分自身の心の中に、例えば、見たり聞いたりしたことを、偏らない八正道という中道の物差しで正しく判断して、余分なものは詰め込まないことが大切です。

不必要なものを右から左へ出していくことです。そして、機嫌の良い時にお互いに話し合うのです。相手が感情的になられている時には、まず一旦受け止めて、その意見をよく聞き、自分は感情を出さず、正しく相手の気持ちになって判断したならば、〝ああ、気の毒な人だ。神よ、どうぞこの方に光をお与えください。安らぎをお与えください。〟と、心の中で相手のために祈ってやることです。

 

人間の心というものは一念三千です。無限に広いものなのです。終わりもなければ始まりもないのです。この心の中の針は、皆さんの眼や耳や鼻や口という五官を通して360度自由に動いております。

恨みの心を思えば即座に恨みの世界へ針は通じ、心は暗い世界へ行きます。病気、或いはあらゆる精神的な悩みという場合には、その人の心の針の修正が必要な一つのチャンスを与えられているということです。その時こそ、なぜ、どうして、とその原因を追求して、悪の根っこを取り去ることが大切なのです。

それをいつの間にか〝仏教は、お経を上げさえすれば救われるんだ〟という風に変わってしまいました。とんでもない話です。インドの当時は、そんなことをひとつも教えていなかったはずです。

特に日本の場合は変わってしまいました。お坊さんたちは檀家の上に胡座をかいて生活し、仏教は、観光仏教、葬式仏教に変わり、何もわからなくなってしまいました。あの世にでも行って、閻魔様か何かにあって、力を得てくれば考えることも変わるけれども、末法の心ですから到底そんな所へ行けません。

 

本来、仏教というものは〝プター・ストラー〟と言い、『悟りへの道の教え』なのです。言わば〝パラ・ミタ〟という〝内在された偉大なる智慧〟に到達する道なのです。決して、お経を上げよ、拝めなんてことは言っていないのです。

大体お経というものは、ゴーダマ・シッタルダーが415年間説いた〝人々を救済する道〟をゴーダマ・シッタルダーの死後90日目、マガダ国の東北東にあるベルベーナーという竹林精舎の裏の洞窟の中で、マーハー・カシャパーと言われるナーランダーから来た仏弟子を中心として、約四百数十人の人たちが、それぞれの45年間に説かれたものをお互いに「私はこのようなことを聞きました」、「私はこのように聞きました」ということを暗記して、あのインドの各地に散らばって行ったのです。それを紀元前二世紀、アショカ王の時代に口から伝えられたものを、一部のバラモンから来られたグループが文字に残されたのです。これが中国に渡って非常に哲学化され、語句だけを知っただけでも大変難しい問題になってきました。

 

今、私が言っている〝一念三千〟というものも、こういう難しいものに合わしたものです。三千というのは、割り切れない無限に広いという意味で、仏典では〝三千大千世界〟と言っております。無限に広い大宇宙のことをこういう言葉で表しておったのです。そのように難しく説かれてしまうから、心の在り方を知る前に、その語句の意味を知ることだけでも大変だったのです。

よく観自在菩薩と経文の中にありますが、実はこれはインドの当時のバラモンのウパニシャードと言われた中に書かれている文字なのです。アボロキティ・シュバラーと言っています。

 

(次号に続く)

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