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高橋信次先生講演
Lecture

心の在り方(3)

昨年の七、八月頃のことでした。幽霊の出る季節というとたいてい夏ですが、出やすい時期のようです。

Aさんといわれる方の奥さんが亡くなりました。それからわずか六カ月目に新しい奥さんをもらいました。小さな子どもがいますから、仕事に行く上において面倒を見てもらう人がいなくては困る、何とかしなくてはならないということで早く再婚したのです。

ところが、夫婦そろって同じ布団の中で寝る十一時頃になると、その辺からボツボツおかしな現象が起こってくるのです。仏壇の中の位牌がガタガタといって揺れるんですね。「仏壇にはお線香も燈明もつけ、お経もちゃんとあげているのに、夜の十一時頃になって私たちが休む頃になるとガタガタと……。傍らに印をつけておいてもその位牌が動くのがわかるんです。」とのことです。

さあ、皆さんどういうわけでこんな事が起こってくるのでしょうか。早く言えば幽霊です。ところが、その事を知らないで新しい奥さんが心を忘れていたら、今度はその奥さんもまた二の舞を演じるのです。といって一般の宗教家たちは、そうなるとお坊さんを呼んでさっそく成仏させなきゃいかん。特定な新興宗教家たちは、さらにまた良い戒名を付けてやらなければということで、ますます〝南無妙法蓮華経〟の熱も高くなる。そんなことで彼らが鎮まるならばたいしたものです。嫉妬に燃えている地獄の霊なのですから……。

 

私ならば姿が見えますから、奥さん(地獄霊)、あなたは何で死んだのですか。自分の旦那さんが新しい嫁さんを迎えなければならないような小さな子どもを残して、あなたはなぜ死んだのですか。死ななければそんなことにはならないはずです。いつまでもこの家に、そして子どもたちに、ご主人に執着を持ってはいけません。あなたが何故早死にしなければならなかったのか、その原因はどこにあるのかよくしっかり反省しなさい。あなた自身の心の中に大きな歪みを持ってノイローゼになり、この地上界を去った。その原因がどこにあったのかを、あなたは自分の嘘のつけない心でよく反省してみなさい。

前にサーッと来ましてね。もちろん幽霊です。この間の研修会の時に出て来た幽霊は、ちゃんと頭に三角のマークを付けていました。白い着物を着て幽霊らしく手をこうやって出しておりました。ところが、その時の幽霊はそんなことをしておりません。もう悔しくて悔しくて仕方がない、死んでも嫉妬しているんです。

決して幽霊は夜だけに出るのではありませんから、昼はわからないだけなんです。皆さんの傍らにもいっぱい来ているんですよ。ただ知らないでいるだけです。それで肉体的に不自然な現象が出ているんです。この中にもそういう人がいます。自分でそれがわからないだけです。〝知らぬが仏〟というのも、そんなところからきているのでしょうね。きっと……。

 

こうして、そのご夫妻の場合もこんこんと教えてやりました。結果、死んだ奥さんの幽霊は出てこなくなりました。嫉妬をしてもしょうがない。それから位牌も動かなくなりました。いいお墓を作ってやったから彼らは成仏したんじゃないのです。なぜ、どうしてそのようになったのか。 そして、生きている人々に迷惑をかけてはいけないのだということをよく教えてやることが大事です。そして、残されたところのご主人や新しい奥さんたちも、自分自身というものの心の在り方、生活の在り方というものを正しくしていかなかったら困ります。

先程の下町の方の幽霊となって出て、後ろの方に憑いているのも同じなのです。それでは何故そういうものを呼び込むのかということになるのですが……。

そこで私は、ノイローゼの方に、あなたはしばらく黙っていなさい。後ろに憑いている者も黙っているようにと言い聞かせ、母親に話をしました。

奥さん、娘さんの病気を治す前にまずあなたから直さなければいけません。自分の娘がおかしくなっているのに、家柄だのご主人だの、周囲の事を心配したりして、まるで他人事のようです。そんなことより、可愛い娘のためなら自分の命を投げ出すくらいの心構えが必要です。それを、家柄だの地位だの名誉だのと、そんなくだらないものに執着を持って娘さんをここへ連れてきているのです。奥さん、あなたは自分から直しなさい。心を裸にせずして娘さんだけを治そうたって治りませんよ、裸になる気持ちがあるなら私の所へ来なさい、と。

そこでいつも質問することなのですが、奥さん、あなたの家には〝ゴキブリ〟は出ないでしょうねと言うと、いいえ、たくさん出ます。では、どういう所に出ますかと聞いたら、流し台の所です。それも薄暗くてジメジメした場所に必ず出てきます。そうですか、地獄霊も同じです。あなたたちの心のジメジメした所、夫婦の不仲、子どもとの対話の不調和、このような不調和な場が、あなたたちの家庭の中にあるから地獄霊が憑いてくるのです。

何故、このようなことが起きたのだろうか……。その原因はどこにあるのだろうかと、それぞれ皆さんが追求していったならば、思っていること行っていることの中に、必ずどこかに片寄ったものの判断行為があるということを、皆さんは知らなくてはいけません。そういう暗い世界に、暗い環境に、暗い人々に、地獄霊はいつでも憑く条件が整っているのです。

本来、地獄というものはなかったのです。人類がこの地上界へ出て来て、この地球上という場において、神の身体であるこの環境を大調和させると同時に、一人ひとりの魂・心を豊かにするということが大きな目的です。ところが、人間はだんだんと自分さえ良ければいいということになってしまったのです。

 

 

では、この自分さえ良ければいいということが何故悪いのか。皆さんは一人で現実に生きていくことが出来るでしょうか。出来ないのです。自然界を見なさい。動物も植物も鉱物も、お互いに相互関係にあるはずです。植物に水が無かったら、また、植物に太陽が無かったらどういうことになりますか……。地球という所は約七一パーセントが水圏です。太平洋・大西洋・河川・小沼・池等、そのような場所の大量の水を蒸発させ、この地球という、いわば陸地に慈雨を降らせ、植物は根っ子から 葉っぱからそれを吸収します。

皆さんは吸った酸素を空気中に戻す時、二酸化炭素(CO²)を出します。人間というものは、化膿した所は二酸化炭素、燃焼しても二酸化炭素を出すのです。

植物はその排出された二酸化炭素を吸収したうえに、光の合成によってデンプンやタンパク質、脂肪を彼らは自分で作り出すのです。その植物を皆さんは自分の血や肉や骨にするために食べているはずです。そしてまた、食べたものを出します。出たものは、今度は植物が同じように自分の血や肉や骨(肥料)にします。

いわば、植物の彼等の生活環境というものに協力していきます。こうして動物も植物も鉱物もお互いに相互関係の協力があってこそ自然界というものが成り立っているのです。

 

(次号に続く)

 

この稿は、昭和49年3月10日、関西本部定例講演会での内容をテープより書き起こしたもので、一部加筆・修正を加えてあります。

〈文責=編集部〉

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