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高橋信次先生講演
Lecture

心行の言魂(43)

一九七五年九月 著

(前号より) そこで人間の価値を決める価値判断の基準なり標準をどこに求めたら間違いないのか、少なくとも、価値の物差しである以上、絶対不変の物差しでなければならないと思います。 そう考えますと、その物差しは大自然の姿にしか見当たらないし、大自然なら絶対に間違いがないということになろうかと思います。 すなわち、自然の尺度をもって、人間を評価するということです。 自然の尺度をもって、人間を価値づけする。これこそ、またと得難い、物差しであろうと考えます。えこひいきは、絶対にありません。フラスコでの分析と同様の、まじりけのない結果しか出ません。 しかもこの価値判断は、人間を正しく評価すると同時に、一方において私たちの生活を真にエンジョイさせてくれます。不安と焦燥からも解放してくれます。 ではいったいその自然の尺度とは何か。 まずその第一の尺度は、ほかならぬ地球という大地です。 地球が宇宙空間に創造されて以来、地球そのものの変化変滅は、今もって一度も起こっておりません。地上の変化は人間や生物が生きるための地ならしとして、また、人間それ自身の我欲の結果以外は、地球は、常に健在であり、私たちを守ってくれています。 第二の尺度は、水です。 気体、液体、固体の三相の循環をくりかえしながら、決して、その分量を、増やしたり、減らしたりすることもなく、何万年、何億年という間、地上の生物に、生きる力を与えています。 第三には、太陽です。 何度もくりかえすように、太陽の熱・光のエネルギーは、万物万生の元といってよく、これなくして、生物の生存は不可能です。人間が地上に住む前から、太陽は存在し、その熱・光のエネルギーは、少しも変わることなく、放射されています。 第四は空気です。 酸素、炭酸ガスなどの混合物質である無色透明の空気は、地球の周囲をとりかこみ、決して宇宙空間に飛び出そうとはいたしません。人類の数がふえ、空気を求める生物が多くなっても、空気の量は、一定不変、その分量を加減することもないのです。 第五の尺度は、宇宙です。 地球という惑星、太陽という恒星が存在できるのも宇宙という空間、宇宙という無限の広がりと統制があればこそ、可能です。宇宙はかぎりない生命の母体であり、智慧と創造の源泉です。 以上の五つが、人間の価値判断の尺度です。 大自然という尺度は、常に絶対不変の立場を守り、しかも増えもしなければ、減りもしないという「中道」「法」の下に生きています。 人がこの中道という自然の姿を尺度として生活するとすれば、私たち人類には、限りない進歩と調和が約束されます。なんとなれば、自然は中道を軸に調和しており、調和は争いのない世界であり、破壊がなければ、その分だけ進歩の分量が増えることになるからです。 戦争は発明の母であるとみる人もいるようですが、人類の意識が、自然という価値と調和にめざめたときは、発明発見は欲得から生まれるのではなく、人類全体の幸福、という自覚と義務感の中から勢いよく湧いてくるでしょう。 私たちは、意識をそこまで高める必要があるのです。またそうでなければ、私たちの環境はもとより、私たちの生活それ自体が行き詰まってきましょう。戦争、破壊、インフレ、失業、そうして、経済優先、価値の絶え間ない変化、こうした悪循環から人類はいつになっても解放されることはありません。 こうしためまぐるしい不安と混迷の社会から一人一人が脱却し、人間の心の偉大性と価値の尺度の在り方を素直に認めることによって、安心と希望の世界がひらけてくるのです。 自然の尺度は、人間の評価だけではありません。政治、経済、文化、教育、科学、厚生、労働などにわたっても、その価値づけを与えています。 すなわち、大自然をもとにした正法神理というものは、人間の全人格にわたって、影響し、作用し、教えているものであるといえるのです。 一切の混迷は、心の不在からです。法を忘れたからです。自然を愛さない目先の利益のみを追った経済、欲得が、人間の最大関心事になっているところに原因があります。 (次号へ続く)

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