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今月の課題
This Month's Problem

2018年4月

本部長 岸田 守

正法は万古不変であり、いくら年月を経ようとも、いつでも新しく、私たちを導いてくれます。原点に戻って学びを深めていくために、今月は、平成八年四月号に掲載された、岸田本部長ご指導の要旨を再掲載させていただきます。

 

仏教に『十悪(じゅうあく)』という言葉があります。身・口・意の三業(さんごう)がつくる十種の罪悪のことで、殺生(せっしょう)、偷盗(ちゅうとう=人の物を盗み取ること)、邪婬(じゃいん)、妄語(もうご=うそ)、綺語(きご=心にもないうつろな言葉)、悪口(あっく=ひぼう)、両舌(りょうぜつ=二枚舌)、瞋恚(しんに=いきどおり)、愚痴(ぐち)、貪欲(どんよく=足ることを知らぬ欲望)のことを云います。

 

そしてこの殺生を筆頭とする十悪には、どれが重いとかどれが軽いとかいう罪の軽重はないはずですが、殺生や偷盗のように身で積む悪業や、妄語や綺語のように口で積む悪業よりも、意(こころ)で積む悪業の方が表には現れなくてもその広がりが大きいので、これを戒めて「怒り」「愚痴」「貪欲」を「心の三毒」と云い、古い道歌にも「心こそ心迷わす心なれ、心の駒に心ゆるすな」というように、諸悪の原因になることが多いのです。
だから、高橋信次先生はご講演のたびごとに「恨み・ねたみ・そしり・怒り・ぐち・足ることを知らぬ欲望・自己保存・自我我欲」と、心のつくる業を並べて繰り返し繰り返し私たちの心を戒められたのです。
その先生のお教えをよく振り返ってみますと、「足ることを知る」ということが、私たちにとって最も重要なことだと思われてきます。

 

この世、現象界のまたの名を「欲界」とも云うでしょう。だから、この世を欲望の渦巻く世界と云っても過言ではないはずで、私たちは、その欲望の世界に住んでいるのです。
その上私たちは、日常の必要性に支配されて生きているとも云えるでしょう。しかし、その欲望はいくら満たされてもそれで解消されるものではありません。むしろ、欲望を充足させればさせるほどますます人間は貪欲になるものです。また、必要性に引きずりまわされ、或いは世俗に引きずられて、私たちはあくせくし、ガツガツし、イライラしているのです。
そこで、問題を根本的に解決しようとするならば、私たちはいったんこの世俗の世界を否定せねばなりません。つまり、「小欲」という形で否定するんです。そうして、初めて私たちは欲望の奴隷(どれい)から解放されて、自由になれるのではないでしょうか。
なお念のために申しそえますが、小欲知足、足ることを知る、と云っても金や物ばかりではありません。地位や名誉や立場や仕事もそうですし、主人にこうあってほしいとか、妻にこうしてほしい、子供がせめてこうなれば、というような願望も同じことです。

 

繰り返すようですが、前理事だった故田中経人さんが、よく「尊敬される人になれ」と云うことを好んで書かれました。それは「人生の知恵を持て」ということと同意で、だから尊敬されるわけです。
人生の知恵とは、端的に云えば  欲望の抑制  をする知恵です。ある程度の人生経験を積んでくると多かれ少なかれ誰もが感じることですが、若い頃は欲望が強い。物質的な欲望は勿論、出世欲にしろ権力欲にしろ名誉欲にしろ、性欲にしろ若い時代には自らの激しい欲望に悩むものです。それを何とか工夫し、先哲の教えや年長者からの忠告を参考にして、欲望にブレーキをかけコントロールしながら人生を生きてきたのです。
そして、年をとってから、自らの経験にもとづいた知恵を若い人々に伝授してあげる。だから、年寄りは若い人たちから尊敬された。それが過去の時代の日本の美風であったのでしょう。
ところが、現代の老人にはその知恵がないらしい、現代の老人たちは戦争の時代と戦後の復興期に若い頃を生きた。だから、戦中は「欲しがりません勝つまでは」で欲望を燃やすことができず、戦後になると、今度は欲望を激しく燃やし続ける生活を送った。

 

高度成長期には、欲望の抑制などと云おうものなら、世間から総すかんをくった。ギラギラした欲望だけが肯定され、日本人は全て自分の欲望を満足させることに必死になってきたのでしょう。
この世は作用と反作用の繰り返しです。だから、今になってなまじっかな反省をしてみても、若い人たちに教えるどころか、老人たち自身さえ、「足ることを知る」知恵を身につけることが難しいのでしょう。
しかし、私たちは己の魂を磨きに出てきた、カルマを修正するために出生した修行者です。難しいからと云ってるわけにはいきません。「一事をこととせざれば一智に達することなし」で、大事なことは「やる気」です。
しっかりした反省と「やる気」さえあれば、必ず守護・指導霊が助けてくれます。光の天使がきっと協力して下さるでしょう。
どうか、その「やる気」を出して下さい。折角の精進努力を祈ります。

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