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今月の課題
This Month's Problem

2018年5月

本部長 岸田 守

正法は万古不変であり、いくら年月を経ようとも、いつでも新しく、私たちを導いてくれます。原点に戻って学びを深めていくために、今月は、平成八年五月号に掲載された、岸田本部長ご指導の要旨を再掲載させていただきます。

 

今月は「心の断面図」のお話しをします。

 

これは今日まで何度もお話ししましたし、四階講堂正面の鏡に、デザインされていますから皆様よくご存知でしょうが、新しい方のためにも、なお理解を深めていただきたいという意味をふくめて、もう一度書いてみます。

 

「心の断面図」は、私たちの心が、本来は本能と感情・知性・理性の四つの分野が平均的に働いて意志の分野につながり、丸く豊かで柔軟なものだということを、高橋信次先生が図示されたものです。だから私たちは常にかくありたい、或いは心はこういうものだと思っているのでしょうが、それは心の安定した、いわゆる「虚心」のときの姿で、本当は「感情的な人」とか「本能的」、或いは「理知的な人」などといわれる人があるように、四つの分野が平均的に働いて自分の意志を決定し、想念行為につながっているという人はほとんど無いと云っても過言ではありません。

 

信次先生も恋愛中の人はたいてい「本能と感情がふくれてハート形になっている」と云われていたように、「感情的で怒りっぽい」とか「理知的で冷たい」などという性格的なものだけではなく、時と場合によって「心コロコロ」で、ころころ変転する片寄りが出来るものです。

それなのに、自分はマトモだ、理性も十分にある。そんなに片寄った性格ではない、と思っているのが私たちです。だからその自分の心の状態を深く反省して、その心の分野の片寄り、いわゆる心の歪に気付くこと、そしてその心の歪を正すことが大事なのです。

また、「心行」に私たちの人生の目的は意識、魂を磨くことだとあります。いわゆる煩悩カルマを修正して、丸く豊かな温かい本来の純粋な心に還元(かんげん)することです。煩悩とは、心行にもありますように、私たちの眼・耳・鼻・舌・身・意の六根がつくる邪見・間違った見解とその結果として生まれる想念行為の歪のことで、カルマというのはその間違った見解や行為が長い間に習性となって己の心にしみついてしまったものを云うのでしょう。

いずれにしても、誤解をおそれずに云うならば、心の歪と云い、煩悩と云い、カルマと云っても、心の曇り、闇の部分であることに違いはありません。信次先生はよく「想念の曇り」とか「己心の魔」と云う言葉を使われました。

 

先生の著書『人間・釈迦』のなかに、

何もかも美しい。生命の躍動が、手にとるように感じられてくる。あの森も、あの河も、町も、地球も、明星も、天体の星々も、神の偉大なる意志の下に、息づいている。まるで光明に満ちた大パノラマを見ているようであった。見ているようでいながら、ゴーダマの肌に、生きとし生けるものの呼吸が、ジカに感じられてくる。大パノラマは、そのままゴーダマの意識のなかで、動いているのであった。

遂に、悟りをひらいた。

三十六年間に造り出した不調和な暗い心、想念の曇りが、この瞬間において、光明と化したのであった。……という記述があるでしょう。

あの釈尊でさえ、宇宙即我の悟りを開かれる直前まで、まだ心の中には不調和の暗い心、想念の曇りがあったのだから、私たちのような凡夫(婦)にそれがいっぱいあるのが当然なのです。それなのに、私は正しい、自分には大したカルマはないと思っているのは、己を知らないにも程がある、と云われても仕方がないでしょう。

だから、心の曇りやカルマの有る無しが問題ではなく、その多寡(たか)や大小も問題ではありません。心の段階が何処であろうと人間は平等なのですから、大事なのは修正しようとする意志です。「やる気」だけです。

 

仏教では、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進などを波羅蜜多(ぱらみた)と云って重要な行いとされていますが、いずれもそうでなければならないというものではなく、自らが少しでも六根を清浄にする実践をすることです。

布施も持戒も忍辱もカルマの修正も、今風に云えばセルフ・コントロールをすることです。いずれも一つだけでいいものではなく、また一朝一夕にできるものではありません。私たちの修行は今世だけではなく、何世も何世も転生を重ねて修行して行くものですから、これで良いとかこれで出来たというようなものではないのです。

その意味で、自分が最も取り組みやすいところから積極的にやって行こうという意味で「小さな一つの修正から」と申し上げたのです。今は気付かなくとも、自覚はできなくても、一つひとつ着実に実践して行けば必ず気付くものです。丸い豊かな心も四つの分野も、実践して行けば必ず誰でも己の心を前に出して視ることが出来るようになるはずです。

正法は実践の中に生命が宿ると云われるように、要はやることです。ああでもないこうでもないと思い惑うことはやめて、一つひとつ実践して行くことです。

 

理想は遠いかも知れませんが、やっただけの結果は必ず出てくるものです。

皆様のご精進を心から祈念して、心の断面図の解説といたします。

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