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時の言葉
Word at time

2018年6月 八正道

太陽の熱・光は一定の温度を保って地上に放射している。地球の運動も一定のリズムを持って自転、公転している。どちらもバランスを崩すことがない。バランスを崩さないから常に安定している。安定しているから万物が育ち、生命の循環がさわりなくつづけられる。このように、大自然界は安定という中道を軸として、相互に調和を保ちながら、それぞれを生かしている。ゆえに、中道の精神は万物を生かす調和の心であり、調和とはそれゆえ、慈悲と愛が根底にあるということである。慈悲と愛の心になってはじめて私たちは大自然界の中道のリズムと一致し、安定した心が得られることになる。

 

八正道というものは、大自然界の中道を目標として、換言すれば大自然界の安定した心と合致するための規範である。人間は、自由な心と創造力が与えられ、肉体を持っているので、どうしても一方に片寄る傾向を持つ。地上にさまざまな思惑が乱れ、闘争と破壊がつきないのもこのためなのだ。それゆえ、八正道は人間生活の最低の規準である。生かされ、生きていくための大自然界の掟でもあり、正しく見る、思う、語る、ということは当然のことである。しかしその当然の規準に、どういうわけか人は迷い、これに心を縛られるようだ。迷う人は、八正道はむずかしいという。心を縛る人は文字にとらわれ、心の柔軟性、自由性を堅く閉ざす傾向がある。

 

確かに、正しく物を見るには知識も必要、考えることも必要、体験も必要である。しかし、人には老若男女、職業のちがい、教育や思想の相違がある。これらの相違をどこで一致させるか、物理的に考えると、それは到底不可能なことであろう。早い話が、インフレ問題一つとっても、政治家の見方、学者の見方、経営者の見方、その他さまざまの見方は皆異なるであろう。何が正しく、何が正しくないかは相対的なものになってこよう。また、こうした現象に正見の目的を求めようとすれば、一生かかっても誰一人として求めることはできないかもしれない。

 

八正道の目的は冒頭に触れたように、慈悲と愛の心なのである。これまで自己本位の見方で見てきた不調和な見方、生活の誤りを正すことにある。調和とは他を生かすことであり、それは菩薩行につきる。反省を通じて慈悲と愛の見方、思い方、語り方が大事なのである。この点から外れると八正道はまことにむずかしく、時には心を縛ることになろう。八正道の本旨を誤らないようにしたい。

 

(一九七五年十一月号掲載分)

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