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高橋信次先生講演
Lecture

般若心経の解説(1)

前回は、仏教という神理が、現代社会、現代物質文明の高度化された社会においても、我々が究め得た物理学の法則によっても異論をさしはさむ余地のないような立派な科学的なものであるということを説明したはずであります。

神理というものは永遠であり、その神理は唯物的な思想や知識の中から得られるものではありません。

 

二千五百有余年前において、あの中インドを中心に、乱れ切った人々の心に安らぎと調和を与えるために、この地上界に生まれ出たゴーダマ・シッタルダー釈迦牟尼仏が四十五年間にわたって説いた神理は、現代においても、我々の、また皆さん自身の心の中に内在されたテープ・レコーダーの中に、すべて記録されています。

 

ところで、私たちはこの地球上という場に出て来ますと、善と悪のミックスされている厳しい修行場であること、肉体という舟に乗ってしまうと私たちの意識はわずか10パーセントしか表面に出ていないため、神理がわからなくなってしまいます。盲人のような私たちの人生行路は、常に暗中模索するが、それは万物の霊長として、神の子としての本性を悟るまでの大きな厳しい修行の過程だと言えます。我々はその中において、自分の生まれた環境あるいは教育、思想、また、この地上界において先祖代々の肉体的な先祖を通して築き上げられたところの習慣、こういうものが大きく我々の悟りの前に厳しく横たわっていると言えましょう。したがって、その中から神の偉大な慈悲と我々の善なる心というものを悟り得ることは非常に至難なことになってきます。我々は、この地上界に自分自身が生まれるその環境というものを選んで出てきます。貧乏人に生まれてくる者もあれば、金持ち、地位、名誉のある家庭に生まれてくる者もあり、それらは皆、自分自身が選んでくるのであります。

 

まず第一に、この地上界に出て来るときの人類は、経済、物質文明という環境、肉体的先祖という環境、こういうものは修行の材料であって、これにとらわれてはいけないということを知っています。そのために、あの世の基準はあくまでも肉体舟に乗って本能を備えたまま、神の子としていかに自分自身が正しい中道の生活をし、地上界において人々と調和して帰るかにかかっているのです。決して死んだときの地位や名誉、権力を持って、功一級だの、あるいはその他の色々な名誉を持って帰ることが基準にはならないのであります。あくまでも皆さん自身の善なる心とその行為であります。嘘のつけない善なる自分に忠実な実践努力の結果が、あの世に持ち帰る基準になっていくのです。

 

どんなに大金持ちであっても、この世から去るときに、それは持って帰れません。またどんなに大地主であっても、どんなに立派なお墓を造ってもあの世では通用しません。通用するのは、ただその人の心が真実に正しい中道の道を実践したかということです。ということになると、あの世から出て来るときには、自分が最も悟りよい場所を選んで来るということに、皆さんは気がつくはずであります。

 

もし二千年前に、イエス・キリストが、イラクという当時の王族の子供に生まれたらどうなったでしょう。おそらく、イエスたりといえども悟ることは出来なかったでしょう。最も厳しい左官屋としての不調和な生活環境に、彼は出てきております。そこでまず疑問を持ちます。社会におけるところのあのユダヤ教徒の宗教教義が果たして正しいものであるか。一週間に一回、安息日には仕事をしてはいけない、家庭の雑事も仕事をも否定されるような当時のユダヤ教徒の教え。あるいはまた、厳しい律法制度、果たして神がこのようなことを人間に教えたであろうか?イエスは、当然疑問を持ち始めます。

 

一方においては、ノルマという厳しい環境の中におけるイスラエルの現状、ユダヤ人のあわれな生活環境、このようなものにも疑問を持って参ります。そういうあらゆる疑問を通して、まず同じ人間に生まれながらにして、なぜあのような厳しい階級があるんだろうか、そしてイエス自身は、神という疑問の探求を続け、最後は悟りの境地に到達します。

 

過去におけるところの神理を説く多くの大天使たちはほとんど自分自身のもっとも悟りやすい環境を選んで出生します。そのために大金持ちからは出ません。経済的にあまりにも環境が恵まれたところに出てしまうと、人間は優雅な生活にどうしても溺れてしまうからです。〝疑問と解答〟疑問の追究の結果が神理に到達していくからです。

 

インドの当時のゴーダマ・シッタルダーも、やはり同じように出生の場所を選んでおります。後の仏典などには非常に優雅な大国の王の子供のようにして扱われているけれども、それは大きな間違いです。そして四十五年間説かれたゴーダマ・シッタルダーの神理は大般若経というものにまとめられたのであります。ナラジュルナ(龍樹)という僧侶が、それを更に取捨選択し、まとめて人々にわかりやすく書き上げました。般若心経はこうした大般若経をもとに、中国の僧、玄奘がまとめたものです。

 

(次号へ続く)

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