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高橋信次先生講演
Lecture

心の在り方(10)

(前号より)

 

自分の思うこと行うことがしっかりしていれば、人間は絶対にノイローゼなんかになりません。ノイローゼから抜け出すためにも、中道という片寄らない、己自身の思うこと、行うことを正していったならば、人間はその泥沼から足を洗うことが出来るのです。ですから、精神病院の院長さんや先生たちがノイローゼになってしまうのです。
今、私の所へもそういう人たちがたくさん来ています。受付用紙には、○○精神科××医師と書いてあります。精神科の先生がノイローゼで私の所へ来るのですから、どうにもならないことです。
心理学の大学の先生がノイローゼになって、私の心理状態はどうなっているのでしょうかと私の所へ訪ねてくるのです。一体どういうことなのでしょうか。それは、みんなの心が不在だからなのです。頭だけで、ものの判断をするからなのです。
皆さんの頭なんていうのは、どんなにでっかい頭をしていたって、この中に入っているものなんて大したことはないのです。大事なことは、皆さんの心の中にあるものなのです。永遠の転生輪廻の全てを心の中に記憶しているのです。ただ、自分が体験したことのビデオテープや、あるいはテープレコーダーのスイッチの入れ方がわからないだけなのです。

 

〝猫に小判〟なのです。猫に小判ではなく、小判の価値を、テープレコーダーの価値を自分で知るということが大事なのです。自分の心の〝感情〟も〝知性〟も〝理性〟も〝本能〟も、常に豊かな丸い心で生活をしているかということなのです。それなのに、現代社会は一方的で、お金が全てだということになってしまっているのです。
人間はお金が全てではないのです。〝心〟が全てなのです。お金は生きるために必要なだけなのです。その必要な物質経済に、人間は踊らされているのです。しかし、現代社会においては、人間が長い歴史の中で経済社会というものを作った以上は、その中で我々は生活しなければならないのです。そのためには、〝精神〟と〝肉体〟と〝経済〟のこの三つの柱を作ることなのです。その時に本当の道が開かれてくるのです。現代社会の大きな歪みを直すのが人間の人生の目的と使命なのです。そして今、人間が為すべき道を一人ひとりが自覚する時なのです。

 

ただ、神に祈って我々に与えられるものではありません。すでに、神は我々のために全てのものを与えているのです。我々はそのことを知ったならば、ノイローゼや不調和なことも、やはり自分自身でつくっているのだと自覚し、周囲の人たちも心を改め、みんなが調和しない限り、末法の世になるのです。現代社会にはすでに法灯の光はなくなっているのです。一人ひとりの心にその法灯の光を灯し、不調和な人々が出ないように我々はしなければならないのです。
そして我々は、今置かれている場所、人生の生活の場所は、皆さんが今世に生まれて、自分自身の新しい魂の学習する場所なのです。その学習を習得するために、皆さんは今、在るのです。それは今、経済的に苦しい人たちは、その苦しい経済環境の中で子供と親の会話が不足して、そのための苦しみのある人たちはその中で自分自身を見つめ、夫婦間の不調和な問題は、その中で自分自身をいかにその原因を調和させていく方向を探索するための学習を皆さんは今しているのです。

 

ですから、神がすでに全て平等に与えている偉大なる慈悲と愛の光を忘れることなく、自分というものをしっかり見つめて、正しい道に自分自身を導いた時に本当の光明への道が開かれていくのです。
それは、他力本願ではなく自力によって皆さんが実践した時に、他力の力を得ることが出来るのです。
自然界のスモッグを振り払った時に太陽は万生万物にきれいな光と熱を与えるのです。神の与えているものは全てタダです。無所得です。
我々はそれに対して、正しく自分というものを知っていけるのではないでしょうか。

 

(おわり)

※次号六月号からは「釈迦の生誕から仏教の変遷」の内容を掲載させて頂きます。

この稿は、昭和49年3月10日、関西本部定例講演会での内容をテープより書き起こしたもので、一部加筆・修正を加えてあります。

〈文責=編集部〉

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