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時の言葉
Word at time

2022年9月 心と肉体

正法とは、その根本において中道の心である。太陽、地球、空気、水、人間の肉体も、すべてこれ中道の心にしたがって、その生命を生かし、維持している。太陽の熱、光が、ある時は強く、ある時は弱くなったらどうであろう。太陽そのものも、アンバランスを起こし、太陽をして崩壊にみちびくことになろう。私共の肉体についても、四六時中これを酷使したとしたらどうであろう。その肉体は10日と保持することはできまい。昼は働き夜寝む。こうした中道の心にしたがって生き、生かされておれば、その肉体は保存され、定命がくるまで新陳代謝がさわりなく行われるのである。

 

私共の肉体の機能、地球の機能、太陽の機能というものは、すべてこれ中道の心にしたがって生き、生かされている。ところが人間には、肉体のほかに、心という精神を保持している。このために、中道によって生かされている肉体の機能を損なっている場合が多いのである。そうしてこれはなにも肉体そのものばかりではなく、周囲の生活環境にまで不調和を与えている。

 

心とは、各人の意識であり、魂であり、想念としての創造行為であり、そしてそれは、まったく自由な立場で、自由に行使できる精神作用でもある。この精神作用があるために、人間は、神の子として、大宇宙にまでその心を飛躍拡大させることもできようし、反対に、地上の相対観の中に埋没させてしまうという危険さえも蔵しているのである。

 

人生は、山あり、谷ありで、想像もしないいろいろな壁に突き当たる。これによってたくましくなる者もあれば、自分の力を出し切らずに終わってしまう者もある。強気も弱気も大体はこの地上での習慣に身をまかせた場合が多く、人間はなんの目的で生まれてきたかを知らずに、あの世に帰る者があとを絶たない。長い眼でみるならば、そこが人間としての魂磨といえようが、しかし、中道の心が分かり、己の心の在り方、想念の持ち方を、正法にそって生かしてゆくならば、心も、肉体も、よりすこやかに保全されてくるのである。

 

人間の幸、不幸のわかれ目は、肉体という舟を動かしているところの各人の心、想念、魂である。その魂が、正法にそった中道の心で、物を見、語り、思うことによって、日常の生活を正しく想念、行為するならば、心と肉体、己自身と周囲の環境というものは、自然に整えられてくるものである。人間の肉体はその心の持ち方によっていっそう健全になり、健康な肉体は、心をますます明るくしてゆくものである。色心不二とは、正法の神髄をいったものであり、それはまた中道の心でもあったのである。

 

(一九七一年九月掲載分)

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