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高橋信次先生講演
Lecture

神理正法について(3)

(前号より)

 

やはり肉体的な五官を通して、視覚神経は中道というあらゆるものや調和された自然の光景を皆様自身の視覚にとらえられるようになっているのです。それも、四千オングストローム~七千オングストロームの間しか見えないために、全てのものを調和して見ることが出来るのです。見えるところの視覚が一つ違えば殺伐としたものになるのです。
皆さん一人ひとりがX線を通して生活しているのならば、美しいも汚いもあったものではありません。骸骨がブラブラ歩いているのですから……。こういう生活がいいという人が赤外線を通して物を見たならば、緑色の植物も確認することは出来ないのです。
ということは、全く自然界が一変してしまいます。同色一つで、それだったら恐らく皆様は一日も持たないでしょう。脳細胞が狂ってしまいます。やはり、自然界のあらゆる色とりどりのものが調和されてこそ、私たちの生活環境に安らぎがあるのです。

 

このように、眼ひとつとってみてもそのような状態で、臭覚もまた同じです。皆さんは臭いというものを中和しているのです。この臭いも私たちの鼻に欠陥がある場合は、臭いを嗅ぐことは出来ません。この臭いの範囲も中道なのです。
耳もまた同じです。よく、プロレスラーたちが急激なショックを与えられるために、耳が聞こえなくなってしまうことがあります。急激なものは良くありません。音量というものも皆さんの耳の鼓膜の作動と関連し、中道の状態が最も安らぎが得られるのです。小さい声でもやはりダメ、あまりにも大きすぎて耳元でガタガタ言われても、やはり我々は調和されないはずです。その人その人によって耳の音量というものも調和されているはずです。

 

身体ひとつ見ても、体温というものも本来は36度〜36度5分くらいに調和されています。冷たくても温かくても私たちの身体のためには良くないはずです。外気が暑くなれば我々は涼むクーラーや、また寒くなれば暖かさを保つためにいろいろなものを作るでしょう。これもやはり肌に感じるところの中道の温度が決まっているからなのです。15、6度~21、2度の間が最も適温のようです。 このように私たちの眼や耳や鼻や口を通して、両極端というものから離れなくてはなりません。

 

一方において、我々の体内にしても、酸性、塩基性という酸っぱい水が出てくるようなことがあるはずです。胸がやけるという場合もあります。これも酸性度があまり強くなってしまうために不調和を起こした状態です。お酒が好きな人は、飲んだお酒が胃腸の中に入ってからどんどん発酵していった時に身体の状態も変わってしまい、意識や心までも変わってしまいます。それが量を越してしまいますと、ますます私たちの身体の中が酸性化し、最後は胃潰瘍というような状態になってしまいます。この胃潰瘍というものが肉体細胞も破壊していきます。
これをよく分析しますと、炭素と酸素というものが一緒にくっついてCO₂(二酸化炭素)というものに変わってしまいます。その結果が身体の不調和をきたしてしまうのです。私たちの体内も中道でなければならないし、両極端を捨てた状態でなければ困るのです。
その結果、食事においても極端な食生活ということを考え直さなくてはいけないのです。私たちの五官を通して感じ得たものもまた同じです。さらにまた、両極端というものを探して考えた時に、私たちの生活環境に特に密接な関係にあるものにナトリウムというものがあります。

 

逆にまた、塩素というものもあります。塩素酸カリというものは爆発物です。相当な破壊力を持っているこの塩素、こちらのナトリウムも不安定なものです。爆発します。この二つのものがお互いに寄り合って結びついたNaClというものは塩化ナトリウムと言いまして、これは塩です。塩ともなると最も調和されたものになるはずです。両極端で、単体で存在している時にはこれもまた不調和なものなのです。しかし、極端なものがお互いに調和された中道の道に結びつくならば、最も安定した一つの塩という中性なものに生まれ変わります。
さらにまた、水というものを考えてみましょう。
水というものは、水素と酸素、この二つのものが調和されて完成されていきます。水素はご存知の通り爆発します。水素爆弾という言葉を聞いたことがあるはずです。酸素、これもものすごい起爆剤、火が燃えるには酸素が必要不可欠です。酸素が協力しない限り燃えません。これを酸化すると言います。このような酸化物、極端なもの同士がお互いに結びつくと、初めてそのところに水素が二つと酸素が一つ結びついて中和された水が出来るのです。

 

例えば、水素で燃えているものも、酸素によって燃えているものも、水によって消すことが出来るはずです。水はこのような極端なもの同士がお互いに結びついて、最も安定した中性というものに変わっていきます。
我々はあらゆる物理・化学を通して、物事を正しく判断していきますと、全てが中道ということが根底になっているのです。
現代思想をご覧なさい。資本主義というものを皆さん考えてみてください。資本主義、これに反作用として起こっているところの社会主義、この社会主義の中のマルクス主義、このマルクス主義というものを考えてみるとこれも両極端なのです。
何故ならば、中道というものがないのです。人間自身が、この資本主義をつくり出すその過程を皆さんは考えたことがありますか。人類がこの地上界へ出て来た当時は完全なる原子共産体制がひかれて、人間の心は調和されておりました。
やがて、部族というものを保護するために部族間の争いが起こってまいります。そこに豪族が生まれていきます。豪族がだんだん調和から不調和になるにしたがって豪族同士の争いが武将をも生んでいきます。

 

(次号に続く)

 

※オングストローム 光の波長などを表す単位で、 1オングストロームは100 億分の1メートルである。

この稿は、昭和47年6月11日、関西本部定例講演会での内容をテープより書き起こしたものです。     〈文責=編集部〉

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