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高橋信次先生講演
Lecture

神理正法について(4)

(前号より)

 

武将を生むにしたがって、商人たちがその武器を売るための協力者になっていきます。商人にしてみれば、別にどの武将に売ろうがそれは自由です。日本の過去におけるところの、堺を中心にした商人たちは、お互いに争うところの相手にも武器を売ったはずです。そこで、経済力のある、そして物資を持っている人たちが、このようにして一つの資本形態というものをつくっていきます。
しょせん武将というのは、闘争と破壊、争いばかりしているから、心に安らぎなどありません。自分さえ勝てばいいんだという心が先に立っていきますために、経済的な面を中心として考えている連中から見れば、簡単に彼等を謀略することが出来ます。
欲しい武器を、自分自身の希望する物を、このようにして自分の手中に収めていくようになりますが、経済力によって、最後は武将も支配されてしまいます。そこで封建社会というものが敗れ去っていきます。敗れ去った封建社会を通して、いつの間にかそれに肩代わりした資本主義というものが生まれてまいります。これは世界各国同じです。

 

この資本主義というものも物質と経済、物質とお金です。物質経済、このものが基本になっているのです。物質経済というものが基本になって資本主義というものが生まれています。しかしこの中には、一応は自由というものがあります。しかし、経済力がなかったならば、一つの株式会社でも、金のある人に乗っ取られることもあります。これは経済戦争、最近は日本人をエコノミックアニマルと言っています。物質経済の、お金の奴隷だと言われています。それもやはり、物質経済というものが根底ですから、購買力と生産力というものが比例して、海外に発展していけば、経済力も当然豊かになってまいります。豊かになって外貨を獲得したのはいいけれど、皆さんご存知の通り、ドルショックはアメリカ自身によってコントロールされたものです。お金というものは、人間の力で変えることの出来るものです。神が与えたものではありません。このように、一番根底が心を失った物質経済です。

 

一方、社会主義というものが厳しいというものを考えてみてください。まず人類が発生し、原始共産体制の時代は良かったけれども、権力というものの中で部族、あるいは豪族が生まれ、ところが底辺で生活している人たちは、いつも浮かばれないのです。だんだん力がつくにしたがって封建社会が生まれます。一部分の人間を助けるために、95%の人間がその犠牲になりがちなのです。こういう社会に対して、人間というものは一体これでいいのだろうか、人間は何のために生まれたのだろう、一部分の人間の犠牲によって多くの人々が救われるのならいざ知らず、95%が犠牲になってわずか5%の人間が幸せになるというような不合理なものでいいのだろうか、太陽の熱・光のエネルギーは、全てに平等に与えているのに、なぜ不平等なのだろうか、この不平等は誰がつくったのか、こういう一つの疑問を持ち始めます。

 

1797年にフランスを中心として、大きな支配力を持ったナポレオンの時代、このような武将が支配するようになると、必ず封建時代になりますから、階級制度を厳しくしていきます。日本においても、士農工商という階級制度がありました。士農工商の農の方を二番目に持ってこないと、やはり団結されて一つ間違うと士の方までおかしくなってしまいます。そのために農というものを、わざわざ二番目へ持ってきて、工商という、工業と商業を下へ持ってきております。それは団結力がないからです。当時の権力、日本の場合も、そういう階級制度というものによって、何とか自分の地位を保とうとします。

 

(次号に続く)

この稿は、昭和47年6月11日、関西本部定例講演会での内容をテープより書き起こしたものです。     〈文責=編集部〉

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