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高橋信次先生講演
Lecture

神理正法について(6)

(前号より)

 

生活できるところの環境に対して感謝すること、この感謝する行為を我々は実践して、それに報いるということがまた大事なことです。この感謝と報恩というものがお互いにそれぞれの持てる力を出し合い、協力し合って平和なものが出来るのです。闘争によって得られるものではないのです。闘争はかならず破壊を呼ぶのです。
このようなことを考えたならば、資本主義の社会において、資本と環境を提供されたことに感謝して、一生懸命にその場所で働く、働いて自分自身の悔いのない日を送る。経営者は経営者として、生活を完全に調和させるための環境をつくってやる。お互いに持ちつ持たれつの報恩と感謝という、心というものを忘れ去ってしまったのです。

 

我々の心は全て中道でなければならない。そこで、神理正法というものを通して私たちが考えたならば、人間の力によって変えることの出来ない真実なもの、これが正法なのです。自然界は我々の心と生活の在り方を次々と教えているではありませんか。
例えば、太陽は全てのものに平等に熱・光を与えています。あの太陽がなかったならば、雨も降りません。植物も成長しません。地球は凍ってしまうでしょう。逆に、太陽が熱すぎたらどのようになるでしょう。つい最近においては、人間の資本主義あるいは社会主義を中心として物質だけの進歩を考えた人々の知恵が、スモッグを呼んでいます。光化学スモッグが地球の温度を変えたために水も増えてきております。南極や北極の氷が溶けたならば、地球は水浸しです。我々はそのためにいろいろと各国の環境衛生というものを中心として過日も集まり始めました。国連でも問題になりました。いいことだと思います。

 

人間の知だけがそのような不調和を呼んで、地球という場において生活が出来なくなってしまう恐れがあるのです。自然はそのようにして我々が生存できる環境を与えているにもかかわらず、人間の知恵が不調和をつくり出しているのだということを心ある人々が考え、お互いに人間が心というものを物質経済の上に持っていったならば、このような不調和な現象は起こらないのです。しかし、太陽はそれにもかかわらず、万遍なく万生に熱・光を与えております。それこそ、お金を取るわけでもないし、全てタダです。これに対し感謝するだけではなく、お互いに人々と協力し合って、足りないものを充たし、調和された環境をつくる、報恩ということが必要ではないでしょうか。

 

お天道様にいかに手を合わせて拝んだところで、それは何の役にも立たないのです。太陽の与えている、太陽の教えているところの慈悲の心、これもまた神の心のはずです。太陽が万生万物平等に与えている、自然界の全てに恵まれ、我々の肉体保存が出来る環境、こういうものは自然がつくってくれているもの。すなわち、慈愛のはずです。意思、我々はこの意思に対して尽くすことは、人々に対する愛というものを与えることではないでしょうか。こうして与えることによって、その感謝の意味が報恩となって輪廻していくのです。

 

心の内面においても、万生万物全てが一つ所にとどまることが出来ないのが真実なのです。今という時間は過ぎ去っていくのです。未来に向かって我々の過去、現在、未来という三世を、ある時は日本人として、またある時はそれぞれの国に生まれて、皆さんは自分が望んで、その場所の肉体舟に乗って、より豊かな心を磨くために出てきたのです。今もまた、私のこのような話を聞いていても、皆さん自身の意識のテープレコーダーの中には真実なものがそれぞれ記録されていっているのです。そして、いつの日にかまたそれをひもとくことが出来ます。

 

私たちはこのようにして自然界は全てが慈悲である、我々はその愛を人々に施さなければならないのです。自然環境をつくる神の体を調和させる。こういうこともまた我々の成すべき行為ではないでしょうか。
神の体を人間の知恵によって汚してはならないのです。生活できる環境を安定なものにするには、人間の失われた心というものを再確認することが大事なのです。我々はこのようにして、神理正法というものを通して、あらゆる自然界は全て中道というものこそ我々の人生に対する正しい生き方なのです。人と人との間においても、自分を中心にしてものを判断しようとするからそこに問題が起こってまいります。自己保存・自我我欲という問題、この自己中心主義というものを一つ我々は下がって相手の心になってものの判断をすることが大事なのです。我々は、自分さえ良ければよい、相手の事など考えず、がむしゃらに進んでいったところに混乱が起こってきているのです。

 

まず、第三者の立場で正しくものを考えてご覧なさい。その時には必ず人間というものは、自分だけではなく他人が居る。社会というものはそのようにして構成されているのです。お互いに外面的ではなく、心からの付き合いをした時に、人間というものは本当の平和があるのです。形だけに追われて自分の地位や名誉や環境を守ろうとするところに、返って自分の心を苦しめているということに気がつくはずです。

 

(次号に続く)

 

この稿は、昭和47年6月11日、関西本部定例講演会での内容をテープより書き起こしたものです。     〈文責=編集部〉

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