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高橋信次先生講演
Lecture

人生の価値(2)

(前号より) 心を打ち割って話すということも、自己中心の考えで相手の心を探ったり、自分に有利な考えだけを持っていたのでは不可能なことです。自分の欠点も長所もさらけ出し、中道の心で相手も自分も正しく見ることが、調和への一歩なのです。双方に偏りのない判断と行動、それが中道であり大調和への道に通じるものなのです。
私たち自身の思っていること、行なっていることの一つ一つは、心の中のビデオテープやテープレコーダーにすべて記録されております。そしてこの地上界を去るときに、自分自身のうそのつけない善我なる心が自らを裁くのです。この地上界において人間のつくり出した法によって裁く場合には、情状酌量ということがあります。しかし、噓のつけない善我なる心には情状酌量ということは絶対にありません。

 

間違いは間違いとして、そのつぐないをするまで厳しい地獄の世界で自分を見つめなければならないのです。なぜなら、本来私たちの心は健全であり、神の子としての私たち自身は偉大なる智恵者だからなのです。それが神の体であるこの地球という環境に肉体をもってしまうと、人間の偉大なる神の子たる真我が潜在してしまうために、盲目となってしまうのです。盲目なるがゆえに物質や経済にとらわれ、あるいはまた欲望のままに苦しみの種をまいてしまうのです。

 

豊かな自分自身の心を知り、足ることを知り、お互いに相互関係の大調和を考えていったときに、人間の道は開かれていくのです。そして私たち人間が、最も厳しい固体的な荒い振動数の地球という環境の中で修行する一年は、次元の違った天上界の、百年にも匹敵するのです。その厳しい不調和な物質的環境の中で、私たちが真に神の子として偉大なる心の真我に目覚めたときに、自ら人生のいかにすばらしく豊かであるかということを悟っていくのです。そして私たち自身の心の中にあるその神性を自覚するためには、疑問をもって自ら追究し、わからないことは人に聞いて理解することです。そしてそれを実行してみることです。そのようにして初めて、永遠の生命としての自分自身の偉大な神性を知ることができるのです。

 

人びとはあらゆる国々を転生輪廻してきて、自ら望んで今の国に生まれています。その環境の中で私たちは自分自身、新しい魂の学習をするために今、永遠の生命の過程として肉体を持っているのです。しかし心を失い、正しい法灯が消え去り、自分の道を見失って盲目の人生を歩んでいる人たちは、苦しみをさらに倍加し、生まれてきたときの豊かな丸い心よりももっと小さな自分をつくってこの世を去る結果になるのです。
自らの眼に映る不調和な諸現象や耳に入る雑音を押さえ、自分の都合ばかりを語る言葉を押さえることです。嗅覚、味覚のおごりを押さえ、一切の執着を断って足ることを知ったならば、人生航路の荒波は柔らいで安らぎのある光明に満たされるのです。また自分の立場を考え、怒りや恨みの想念を心に秘めたまま、表面的にのみ相手と対している人は、重い荷物を背負って急な坂道を登るように、身も心も疲れ果ててしまうでしょう。

 

本当に相手を許す、そうした心になったとき初めて心は晴れ、安らぎの生活が待っているのです。
労使の争いもまた同じことです。欲望だけが先に突っ走るならば、争いと闘争はやがて破壊を生んで自分に帰ってくるのです。闘争と破壊によって勝ち得たものが、本当の幸福となり得たでしょうか。働く環境に対する感謝の心、この心を失ったときに争いを展開してしまうのです。足ることを忘れ去った欲望は、いつまでも人の心を満たすことはありません。私たちは目覚める時が来たのです。
私たち人間は、報恩と感謝の道を忘れ去ったときから、経済・家庭・社会が不安定になってくるということを知らなくてはなりません。

 

人類は、今ようやく平等の立場で、労使もまた話し合える調和の時に進歩してきているのです。それは人類が、永い歴史の中で自ら蒔いた不調和な種を刈りとって辿りついた状態なのです。
そして私たちの生命は、輪廻転生の過程においてさまざまな国々で、ある時は王様として優雅な人生を送り、あるいはまた奈落の底や奴隷階級で人生の体験を送ってきているのです。それらはすべて自らの心を豊かにし、調和した社会を築くための修行なのです。
それゆえに、現在大会社の社長であろうとも、労働者と同じ神の子であり、同じ人間としての価値に違いはないのです。すべては平等なのです。ただ大指導者として人の上に立つということは、それだけの豊かな心と抱容力を持ち、平等観をもって多くの労働者を幸せにするという慈愛に満ちた豊かな心をつくるチャンスなのです。
あるいはまた労働の厳しい環境にある人たちも、自分自身を卑下することなく、その厳しい労働の中から己自身の豊かな心をつくるチャンスなのです。

 

人間はこうしてそれぞれが自ら求めて、魂の修行の場をつくり出しているのです。あたかも太陽がすべてに平等のように、人間は平等なのです。私たちは自分を自覚することが大切なのです。疑問があるなら解答を見出すために追究することです。そして自分の本当の人生の価値を、私たち自身の内なる心の中から、日々の生活を通して具現してみることです。そのときに人生がいかに尊いものであるかということが自ら解ってくるのです。
人生の価値は、いかに豊かな自分をつくり、万生万物相互の中に安定があるように、いかに人びとのために奉仕をすることができるかということによるのです。今、もしこの世を去るという断崖に立たされたときに、いったい人間として何をしてきたかと問われたならば、果して私たちは何と答えるでしょうか。

 

私たちがこの地上に生まれてきたのは、自分自身が作った心の曇りを修正するためなのです。そしてそれとともに、万物の霊長である人間として心と心を調和し、神の体である地上界に平和なユートピアをつくっていったときに、偉大なる卒業者としてあの世で迎えられるのです。
1日1日を一生懸命に努力し、正しい心の物差しで反省して、いつこの世を去っても、思い残すことがないような生活をすることがもっとも大切なことなのです。

 

(終わり)

 

(昭和五十年二月、京都でのご講演の要旨をまとめたものです)

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